荒れ狂う投機マネー・3

次に投機マネーはどこに襲来するか?


前回は、投資・投機マネーが肥大化した原因・背景について述べました。

このモンスターマネーは、今まで、各市場の間を巨利を求めて激しく大移動を繰り返してきました。
時には、株式市場に、時には債券市場に、時には不動産市場に、時には為替市場に大挙襲来してきました。
そして、攻めかけた市場でバブルを引き起こし、それを崩壊させてきました。

日本では、不動産バブルとその破綻が今なお脳裏に鮮明です。
多くの国民が公共の絶頂に躍り、一転「失われた10年」に苦しむことになりました。
ただ、これは日本というすぐれて国内的な混乱の渦に留まっていました。

ところが、近年、投機資金は急激に肥大し、その奔走が世界的な動揺、衝撃をもたらすようになりました。
その象徴・典型とも癒えるのがサブプライム問題です。
サブプライムローンを組み込んだハイリスクの証券化商品が大量に作られ、超大国アメリカを中心に世界中にばらまかれていました。
メタボマネーは、ここに食指を伸ばしました。

アメリカの株価は、07年中頃まで実態を離れて直線的に上昇を続け、バブルを現出しました。
そして、「根拠無き熱狂」の終わりです。
株価は暴落しました。
アメリカ発の金融危機は、世界に拡散し、深刻な経済混乱を引き起こしました。
今や世界は暗雲に覆われています。

証券化商品市場、株式市場から引き上げたマネーはどこに向かているのでしょう?
その前衛が狙いを定めた先は、商品(コモディティ)市場です。
その現物、先物の双方に向かっています。

そこには、主に次のような商品が含まれています。
原油、貴金属(金、白金など)、各種金属(鉄、アルミなど)、穀物(小麦、大豆、トウモロコシなど)、魚介類(エビなど)、ゴム、生糸など。

重要な日常の生活物資は、ほとんど含まれるといってよいでしょう。
これらの買い占めが始まっているということです。
これが今までの投機マネーの動きと大きく様相を異にするところです。

何が起こるでしょう?
もちろん、それらの商品価格の急騰、高騰です。
事実、株価の低下と時を同じくして、市場の商品価格は大きく上昇しています。
原油や小麦、トウモロコシなどの価格は、ここ1年でおよそ2倍にも暴騰しました。(→参照
異常です。

以下、次回へ。