◆中国食品の危険率は?
中国の毒入り食品の問題が、大きく社会を揺るがせています。
食の安全は、日々の生活や生命に直結しているので、最も切実な問題です。
中国製冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3家族、計10人が吐き気や下痢などの中毒症状を訴えました。
有機リンのメタミドホスによるものです。
女児1人(5歳)が一時、意識不明の重体になりました。
幸い、今のところ死者は出ていません。
しかし、国民の疑心暗鬼は掻き立てられました。
不安は、立ちどころに全国の消費者の間に拡散しています。
中国冷凍ギョウザによる健康被害が公表された1月末以降、全国に届け出のあった相談者数は、6千件近くに上っています。(内閣府国民生活局調査、08年3月10日現在)(→参照)
ただ、今のところ、薬物中毒が疑われるケースは発生していません。
それらの多くは、ノロウイルスによる食中毒や風邪などが原因とみられています。
ただ、この影響はいまだ、深刻な尾を引いています。
国民の日々の食生活に大きな不便を与えるほどになっています。
そこで、この中国食品の現状について確かめてみたいと思います。
輸入量、日本の食糧における比重、そして、安全性などです。
果たして、輸入される中国食品は日本人の食生活にどのくらいのウェイトを占めているのか、そして、その安全性は他国の食品と比べてどうなっているのでしょうか?
輸入食品監視統計(2006年)をもとに、これらを一覧にしてみました。(→参照)
輸入重量を基準に上位6カ国を対象としました。
検査・違反の調査結果は、食品衛生法に基づくものです。
輸入量の( )内は総輸入量に対する割合、違反数量の( )内は違反率。
件数の単位は件、重量の単位は千トン。
国 名 輸入量 検査数量 違反数量
重量 件数 重量 件数 重量
アメリカ合衆国 13,108(38) 18,172 4,810 239 (1.3) 148 (3.1)
中華人民共和国 4,936(14) 91,264 947 530 (0.6) 3.49(0.4)
カナダ 3,666(11) 2,545 281 7 (0.3) 0.03(0.0)
オーストラリア 2,720(8) 1,847 216 11 (0.6) 17.8(0.8)
タ イ 1,251(4) 17,527 199 120 (0.7) 0.73(0.4)
フィリピン 1,169(3) 1,164 35 24 (2.1) 0.04(0.1)
合 計 34,096 198,936 6,996 1,530(0.8) 161.65(2.3)
さらに、違反率を件数別、重量別にランキングすると、次のようになっていました。
件数別違反率の上位5国(検査数100件以上を対象)
エクアドル 27% ガーナ 18% スリランカ 4.4% ペルー 2.3% フィリピン 2.1%
重量別違反率の上位5国
エクアドル 27% ガーナ 20% パラグアイ 5.3% フィンランド 4.0% アメリカ 3.1%
以上の数値からすると、中国食品の安全性がとりわけ低いわけではありません。
違反率は、件数ベースでも、重量ベースでも輸入全体を対象とした場合と比較すれば、平均以下です。
では、中国食品の日本の食糧全体に占める割合はどうなっているでしょう。
昨年度の輸入総量に対する中国食品の輸入量の比率は約14%です。
一方、日本の食糧自給率は、約40%、輸入割合は約60%でした。
したがって、中国食品の日本の食糧全体に占める割合は8%余りということになります。
確かに、この数字自体はそれほど大きくありません。思う以上に小さいと言えます。
しかし、日本の消費者にとって中国食品の存在感は軽くありません。
生活の中に浸透しています。年ごとに増しているように思えます。
今回、中国製毒入り食品の問題は、日本国中を震撼させ、混乱をもたらしました。
事件の真相への究明は、袋小路に入ってしまっています。
決着の行方は全く不透明です。
問題の所在はどこにあるのでしょう?
これについては、次の記事で触れることにします。