人生学ノート

人間が傲慢と欲望に満ちた社会を形成し続ければ、人類が限りない不幸に見舞われ、ひいては悲惨な終末を迎えるというのは、ほとんど自明である。
子供たちや子孫など、人類の行く末はどうなろうと構わない、あるいは自分さえよければ、後のことなどどうなろうと関係ないと思う人々が多くいることによって、それはますます現実味を帯びる。
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挨拶については、悪貨が良貨を駆逐する。
きちんと挨拶する人間も、相手が挨拶しなければ、ばかばかしくなって、そのうち挨拶しなくなる。
挨拶をする人間と挨拶をしない人間が、混在していれば、遅かれ早かれ、その集団や社会は挨拶をしない人間だらけになる。
それを防ぐには、自分だけはきちんと挨拶しようという心構えを、一人一人が持つしかない。
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芸術作品には、審美眼だけでなく、審心眼も必要となる。
芸術作品には、その創作者の人間性が反映する。
芸術作品には、自己の虚栄心を満たすため、あるいは経済的富貴を求めるため、あるいは権力に迎合するためなどで創作された作品も数多くある。
しかし、普通の人にはそれがはっきり解からない。
作品がすぐれていれば、その創作者の人間性もすぐれていると、つい思い込んでしまう。
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大きな家ほど、多くの資源を費やし、環境に大きな負荷を与えている。
大きな家ほど、たくさんの材木を使い、たくさんの鉄を使い、たくさんのセメントや砂利を使い、たくさんの石油化学製品などを使っている。
大きな家ほど、多量の電気を使い、たくさんの廃棄物を放出している。
それらは全て、自然資源を減少させ、環境に大きな負荷を与えている。
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自分だけは大きな家に住む資格がある、と考えるのは典型的エゴイズムだ。
みんなが、大きな家に住んだら、一気に自然資源はなくなり、環境は破壊される。
 みんなが自分だけは、と考えたら大変な事態になる。
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