■生活保護費・2億5千万円の使い道
昨年11月、元暴力団組員らが北海道の滝川市から生活保護費などだまし取っていた事件が発覚しました。
被害金額は、約2億数千万円です。
高額所得者でも、年収2億円の人など滅多にいません。
受給額は、1カ月で2000万円に迫ることもあったようです。
詐欺容疑で逮捕されたのは、滝川市内の無職・片倉勝彦(42)、妻・ひとみ(37)両容疑者、および札幌市北区の介護タクシー会社の役員板倉信博(57)と同社社員小向敏彦(40)の2容疑者です。
彼らは、生活を追いつめられた人々の最後の砦である生活保護費を横取りしていました。
生活保護費の支給額は、夫婦二人の場合、最大でも12万円程度です。
年間では、150万円ほどになります。
彼らは、およそ300人分の生活保護費を自らの懐に押し込んでいたことになります。
彼らは、血税を奪い取って、どのような生活をしていたのでしょう?
各種報道をまとめると、次のようになります。
・夫婦は、滝川市内の家とは別に、札幌にも温泉付き豪華マンションを保有していた。
・受給した金を覚せい剤の購入に当てていた。
・高級車数台を保有し、乗り回していた。
・夫は、公共の場では酸素マスクを離さず、診断の際には倒れそうな様子で体を震わせていたが、夜は歓楽街に通ってた。
・妻も、疾患を抱えてストレッチャー付きタクシーを利用したとしながら、実際は自分で車を運転していた。
・一部を出入りしていた山口系暴力団に譲与していた。
両容疑者が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕、拘留されていた期間にも、生活保護費は受給され続けています。
夫婦は、過去には市営住宅の家賃を滞納していました。
生活費の支給の審査には、非常に厳しいものがあります。
請求したからといって、役所が二つ返事で応じてくれることは絶対にありません。
まず、親子、兄弟など身内に援助を求めるよう要求されます。
家庭を訪問され、経済状況について事細かに調べられます。
金融資産や不動産の保有状況について細かく問われます。
土地・家屋、預貯金、生命保険、有価証券、貴金属、車などがあれば、売ったり解約して生活費に充てなければなりません。
エアコンは贅沢品であるとして、保有が認められないこともあります。
そればかりか、窓口では担当者に、高圧的で冷淡な態度、差別的な言動を露骨に示されることもあります。
一度、試してみてください。
屈辱的、恥辱的思いをすること請け合いです。
片倉容疑者夫婦が、贅沢三昧の生活をしていることは、自宅を訪問し、高級車を見れば即座にわかったはずです。
温泉付きマンションを保有していることも、その気があればすぐに調査できたはずです。(知っていたかも知れない。)
では、滝川市の福祉行政当局は、なぜこのような大盤振る舞いを片倉容疑者らに行ったのでしょう?
サービスは、常軌を逸しています。
理由があるはずです。
以下、次回へ。