▲インフレと円高が同じ効果を持つとは?
インフレと円高は、同じ効果を持つと言います。
どういうことでしょう?
過去の記事でも、インフレと円高の関係について触れましたが、今回は視点を変えてよりわかりやすく、説明を加えてみたいと思います。
理解を容易にするため、具体例を次のように仮定します。
日本でハンバーグ1個=100円、 1ドル=100円
このハンバーグが1個200円になったとしましょう。インフレです。
このような大幅な上昇は、長期的には起こりうることです。
そうでなければ、ハイパーインフレに起因します。
このとき、1ドル=100円のままであるとすると、1ドルではハンバーグが半分しか買えないことになります。
これは、ハンバーグに値段が1個100円のままで、1ドル=50円の円高になったときと同じ結果になります。
1ドルでは、やはりハンバーグが半分しか買えないからです。
つまり、2倍のインフレと2倍の円高は、同じ効果を持つということです。
他の条件に変化がない限り、この定式は成り立ちます。
目下、中国ではインフレが亢進しています。
今まで、中国に対する元高を求める動きは強くありました。
しかし、インフレ率が高ければ、中国に対する元高への圧力は弱まる可能性があります。
上記のように、インフレが元高と同じ効果をもたらすからです。
もちろん、逆の場合でも上の関係は成り立ちます。
デフレと円安(その国の通貨安)は、同じ効果を持つということです。
なお、参考のため、過去の記事でまとめたことを再掲します。
「インフレによって、自国の製品に対し貨幣価値は下落しますが、為替レートが変わっていなければ、外貨からすれば、その通貨、製品は割高になったということになります。
輸出入において、インフレは通貨高と同じ効果を持ちます。(デフレの場合は逆)
ただし、この通貨高は一時的なもので、すぐに通貨安の方向に振れ始めます。
購買力平価(貨幣の実質価値)に大きな差が生じるからです。」