人は、強者からの暴力を弱者に転嫁する。
たいていの人間は十発殴られれば、十発あるいはそれ以上殴り返そうとする。
しかし、殴った者が強者である場合は、報復をあきらめる。
そして、殴られた者は、その恨みと怒りを弱者へと転嫁する。
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暴力によって与えられたエネルギーは、暴力によって吐き出される。
暴力により与えられたエネルギーを、平和的な形で解消することは困難である。
暴力によって蓄積されたエネルギーは、たいてい暴力的な形をとって帳尻を合わせられる。
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人は、相手を見て、態度や行動を決める。
多くの人間は、弱者には高圧的に振る舞い、強者には卑屈に対応する。
自分より上位者にはへりくだり、自分より下位の者には横柄になる。
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どんな人間に対しても横柄に振る舞える人はいないし、どんな人間に対しても卑屈に振る舞う人もいない。
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弱者に対して優しく振る舞うことは、誰にでも可能である。
弱者に対して威圧的に振る舞うのをやめるのは、自分を抑えることによって可能である。
その気にさえなれば、誰でも弱者に対して優しく振る舞うことができる。
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いじめの連鎖は、最上位者の意志と行動によって断ち切ることができる。
A、B、C、Dの順に、力の序列があるとき、AがBをいじめれば、BがCをいじめ、BがCをいじめれば、CはDをいじめる。
逆に、AがBをいじめなければ、BはCをいじめず、BがCをいじめなければ、CはDをいじめない。
従って、暴力やいじめの連鎖を断ち切るには、上位者ほど大きな決定権と責任を持っている。
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軍隊経験者は、力関係や肩書きを重視する。
軍隊の中では、階級が絶対である。階級によって地位や力が決まる。
上官の命令には絶対服従しなければならない。
そこで、肩書きや地位を絶対視する意識が深く染みつく。
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地位や収入を重んじる人は、学歴と人間的価値を結び付けやすい。
たいていの場合、学歴が高い人間ほど、地位が高く、収入が多い。
そこで、地位が高く収入が多い人間ほど価値が高い、と考える人間は、学歴を人間の評価基準にしやすい。
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コンピューターウイールスを見れば、知的能力と人間性とは、何の相関関係もないことが分かる。
複雑高度なコンピュータウイルスを作り出す知力の高い人間が、人々に困難や苦痛を与え、危害をばらまくことに快楽を感じている。
これは将来、超高度な科学技術が、卑劣な人間によって創造され、人類に破滅をもたらす可能性を示唆している。
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