◆救急隊員への暴力を許すな!
日頃、懸命に急病人や負傷者を救護、搬送している救急隊員に対対する暴力が深刻化しているという報道がなされました。
次の通りです。
「救急隊員が通報を受けて駆けつけた現場で相手から暴力を受けるなどの被害は、ことしに入ってから49件に上っています。
件数としてはこれまでで最も多く、5年前に比べるとほぼ倍に増えています。8月には、江戸川区の駅で酒に酔って転倒し、けがをした男を運ぼうとした救急隊員が男に顔を殴られてけがをしたほか、先月は新宿で病気の妻を希望する病院に搬送しないことに腹を立てた男が救急隊員の腹をけったうえ、救急車の窓ガラスを割ったとして逮捕されました。」
まさに、日本国民の精神的な資質(品格)の劣化を象徴する現象です。
社会全体のチンピラ化です。
このような不当な暴力を受けた隊員の気持ちは大きく萎えるでしょう。
やる気が減退すると言うことです。
自分のこととして考えてみれば分かるでしょう。
何をされても耐えろ、というのは虫が良すぎます。
いくら使命感に燃えていても聖人、仏様ではありません。
隊員の志気に大きな影響を与えることは間違いありません。
このしわ寄せは、全く無関係な一般の善良な住民に向かいます。
サービスが低下すると言うことです。
出動が緩慢になるかも知れません。
救護に最善を欠くかも知れません。
ミスが増えるかも知れません。
救われる人の命までも救われなくなってしまうかも知れません。
それらが自分自身の身に降りかかってくるかも知れません。
救急隊員を粗末に扱っていれば、そういうことは十分にあり得ます。
彼らがそれほど高くない報酬で懸命に働いているのは、多くの場合、使命感があるからです。
人のためと思っているからです。
彼らを尊重しないことは、それを踏みにじることです。
気に入らないからと言う理由で暴力を振るうというのは、あまりにも身勝手です。
我がままで、ヒステリックで、卑劣です。
彼らは、家の中や弱者の前でも、同じように振る舞っているでしょう。
その可能性は十分にあります。
一事が万事です。余罪に溢れているでしょう。
彼らのために不快な思いをし、苦痛を受け、屈辱を味わった人間は多かったはずです。
多くの善良な人たちが犠牲者になっていたはずです。
トラウマを引きずっている人もいるでしょう。
救急隊員への暴力は、彼らの日頃の悪行の一部が露呈したに過ぎません。
もちろん、彼らも、暴力団のお兄さんの前では暴れないでしょう。
命がいくつあっても足りないからです。
彼らは、腕っ節の強い男の前では、ビビって、縮こまって何もできません。
もし彼らが、誰に対しても戦闘的、暴力的であれば、彼らは既にこの世から消し去られていたはずです。
彼らが救急隊員に暴力を振るったのは、彼らが公務員であり、絶対に自分に暴力をふるわないと言うことを知っていたからです。
相手を見て、出方を決めたわけです。
どんなに酔っぱらっていても、そのくらいのことはちゃんと認識しています。
弱い者に対して暴力的な人間は、心卑しい卑怯者です。
人間的には全く信頼できません。
近づかない方がよいでしょう。
早晩、不利益を被ります。
彼らが暴力行為に及んだら、徹底的に厳しくすることです。
厳格に断罪することです。
中途半端な対応をしているとかならずつけ上がります。
エスカレートしていきます。
最悪の事態を引き起こすまで続くでしょう。
確かに、救急隊員に非があることもあります。
横柄だったり、高圧的だったり、言葉が粗暴の場合もあります。
不親切で、無礼で、品位がない人間もいるかも知れません。
そういう者が混じっていることは確かです。
10人もいれば、1人くらいはいるでしょう。
しかし、その場合は、無視するか、あとで上司に伝えるべきです。
当人を直接諫めることには、ほとんど効果が期待できません。
程度の良くない人間は、もともと人の言葉を聞き耳を持ちません。
広い心も、謙虚で素直な品位も持ち合わせていません。
真摯な試みは、徒労に終わるでしょう。
世論に訴えるのも良いでしょう。
口コミやマスコミの活用です。
効果は抜群です。
ただし、手段は限られ、限界はあります。
卑しい人間にエネルギーを労するのは無駄です。
相手にしないのが一番と言うことです。
怒りやストレスの回避法にについては、当サイトの過去の記事でも触れました。(→参照)
やはり、相手にいくら非があるとしても、いきなり暴力は許されることではありません。
汚名を着せられ、批難されても仕方がないでしょう。
暴力を振るうような人間の子供がどのように育っているかも、大いに懸念されるところです。
つまり、我がままで、ヒステリーで、凶暴な人間の子供です。
多分、同質のはずです。
自分より弱者に対して攻撃的、暴力的であるということです。
卑しく、信頼できないということです。
邪悪な人間性の再生産です。
彼らは、十分にマークし、牽制し、懲罰を与えるべきです。
可能な限り、教化し、善導すべきです。
公的な力によってです。警察や施設によってです。
日本人の精神的資質の劣化が深く憂慮されています。
かつての美質の喪失が懸念されています。
まず、身近なところからモラル、人倫の回復に全力を注ぐべきです。