▲サブプライムローン危機の構図と救済策
サブプライムローンに始まる世界的な金融危機を克服するため、様々な対策が大きく動き出しています。
その主なものは次のようなものです。
・借り手の返済金利を数年間、凍結する。(金利を上昇させないということです。)
・資金の不足する金融機関に中央銀行などが資金を供給する。
・対策基金が証券化商品の買入を引き受ける。
これらをローン債権の一連の流れ(構図)の中で、関連づけてみたいと思います。
次のようになります。
救済策
借り手(主に低所得者) ←金利上昇を5年間凍結
貸付↑↓返済
金融機関(住宅金融会社など)
代金↑↓ローン債権
金融機関(銀行、証券会社など) ←中央銀行が資金を供給
【債権を証券化】
代金↑↓証券化商品
運用会社(特別目的会社=SPC) ←基金による証券化商品の買入
代金↑↓証券化商品 出資、融資↑↓返済
投資家(金融機関、ファンドなど) 金融機関 ←中央銀行が資金を供給
証券の売却が困難 資金の回収が困難
この流れの中で、とりわけ特別目的会社(SPC=Special Purpose Company)といわれる運用会社が特異な位置を占め、大きな役割を果たしています。
そこで、この特別目的会社(SPC)について、まとめておきます。
・金融機関が証券化商品を販売するために作った運用会社。
・実態は、証券化商品に特化したファンドに近い。
・投資ビークル(SIV)などが代表的機関。
・SPCは、これを設置した金融機関の簿外の子会社で、会計上の連結対象にはならない。
・金融機関は、自らの創出した証券化商品を傘下の運用会社に委ねることにより、資産からリスク部分を切り離すこと(オフバランス)ができる。いわゆる損失の飛ばし。
・SPCは、短期・低利のABCP(資産担保証券)発行を繰り返し運用資金を調達する一方、住宅ローンやリース債権など長期・高利回りの証券化商品を購入、保有し、利ザヤを稼ぐ。
・金融機関は、SPCの資金不足に備え、バックアップライン(与信枠)を確保しているため、信用不足を事実上肩代わりしている。
・金融機関は、傘下のSPSの証券化商品の下落が続き、危機に陥れば、貸し倒れの引き当てや償却で多額の損失を計上する必要が生じる。
なお、SPCも投資家も、利回り(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)を見込んで、証券化商品を購入、保有しています。
しかし、債権が焦げ付けば(回収不能)、期待していた利息(利回り)が得られなくなったり、証券の売却が困難になったり(証券価格が暴落する)します。
要するに、証券化商品の魅力がなくなる以上に、その購入者、保有者は大損を強いられることになるわけです。
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