サブプライムと担保証券

サブプライム問題と担保証券



サブプライム問題では、ローン債権を分割、組合せ、加工した証券が大きなキーワードとなりました。
この証券には一つの特徴があります。
それは、担保証券だということです。
それでは、担保証券とは、どのようなものでしょう?


サブプライムローンなどの債権(貸付金)は、まず金融機関で証券化されます。
住宅ローン担保証券(RMBS=Residential mortgage-backed security)です。


これは、他の債券や金銭債権などと組み合わせて再証券化され、販売されます。
債務担保証券(CDO=Collateralized Debt Obligation)といいます。
このCDOには、債券類のみで構成される社債担保証券(CBO=Collateralized Bond Obligation)と、金銭債権(貸付金)のみで構成されるローン担保証券(CLO=Collateralized Loan Obligation)があります。


債務担保証券(CDO)は、資産を担保として発行される資産担保証券(ABS=Asset Backed Security、ABCP=Asset baced commercial paper)の一種です。
以上の関係をまとめると、次のようになります。


住宅ローン担保債券<ローン担保証券、社債担保証券<債務担保証券<資産担保証券
        RMBS<CBO、CLO<CDO<ABS、ABCP


これらの証券は、いずれも資産を担保(裏付け、保障、抵当)としています。
ここに大きな特徴があります。
対象資産が健全であれば、その価値は保全されます。
サブプライムローンの場合は住宅です。


従って、これらの証券の購入者は、住宅の価格が安定または上昇していれば、メリットが大いににあるわけです。
高利回りが望めるし、証券自体の価値(価格)の上昇にも期待できます。
しかし、逆もまた真です。
現実は、そうなりました。


なお、債券も株券も有価証券ですが、両者は大きく異なる性格を持っています。
ポイントは次のようになります。


            本質  償還期限  保障(担保)  配当/利子  経営参加権
 株券  出資     なし      なし       不確定      あり
 債券   貸付      あり      あり       確定的      なし
※サブプライムローンを組み込んだ証券は債券であり、償還期限も問題となります。


ちなみに、証券の種類を分類すると、およそ次のようになっています。
過去の記事でも触れましたが、再掲します。


1.証拠証券…財産権の証明に役立つ書面。いわば証明書。
             〔例〕預金証書や保険証券、受取証
2.有価証券…財産権を表すとともに、それによって権利の移転・行使が可能。
   有価証券は、さらに次の3つに大きく分類されます。
    ①貨幣証券…手形、小切手など、貨幣に対する請求権を表す。
    ②商品証券…貨物引換証、船荷証券など、物品に対する請求権を表す。
    ③資本証券…債券、株式など、資本および利子や配当に対する権利を表す。


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