無実でも死刑

無実でも、死刑になる可能性あり!

現在世界には、およそ200近くの国があります。
そのうち、約130カ国が死刑を廃止しています。
残りのおよそ70カ国が死刑を認めていますが、実際に死刑を執行している国は多くありません。(→参照

国際的な人権団体であるアムネスティでは、2006年の処刑された人の数は、世界全体でおよそ1万9千~2万五千人と推計しています。
最大の死刑執行国は中国です。
中国については、公式の統計は国家機密ですが、信頼できる筋によれば、2006年には、7千5百~8千人が処刑されたということです。

確かに、極悪非道の犯罪者に対しては、死刑もやむなしという気持ちが強いでしょう。
被害者の身になれば、たいていそうなります。
一理あります。
しかし、問題は、国家権力の都合や思惑による死刑、あるいは冤罪(無実の罪、濡れ衣)による死刑が、その中に混在すると言うことです。

とりわけ、冤罪はいつ、突然、誰の身に降りかかってくるか分かりません。
それで死刑を執行されてしまってはたまりません。
司法による殺人にも相当します。

アメリカでは、1973年以来、124人が死刑判決を受けた犯罪について無実の証拠が明るみに出て、釈放されたといいます。
これは、NHK「クローズアップ現代」(8月29日放映)でも報道されました。

背景には、信頼できない証言や物的証拠、自白を警察官や検察官が利用するといったことなどがあると考えられています。
一方、無実を立証が可能になった要因には、DNA鑑定による容疑者の特定が極めて確実、容易になったことがあげられます。
それでも、冤罪は全くなくなるわけではないでしょう。

さらに死刑では、次のような問題もあります。
死んでしまっては、罪を償うことはできない。罪の償いは、そこで終止してしまう。
罪は、生きていてこそ償える。
生きていてこそ、反省もさせ、悔い改めもさせ、謝罪もさせることができる、ということです。

ただ、刑期については、課題もあります。(→参照
年数を最大数十年に限ることには、疑問が残ります。
極悪非道な人間は、釈放されれば、再び凶悪犯罪に手を染める可能性が非常に高いからです。
誰もが犠牲者になる危険性を免れません。

従って、凶悪犯罪者には、無期懲役の厳格化、終身刑化を法として確立してもいいでしょう。
再発の可能性が完全に否定できない限りは、釈放も仮釈放も認められない、ということです。
極悪非道の犯罪者が若ければ、半世紀以上の服役もあり得るということになります。

いずれにせよ、現行の無期懲役も、死刑制度も、いろいろな問題点を含んでいることは確かです。