万引き犯の暴行死

高く付いた暴行の代償!

5日、万引き犯への傷害致死の疑いで、船橋市のスーパー店長、岩沢雄一容疑者(40)が逮捕されるという事件が起きました。

岩沢容疑者は、56歳の男性に殴る蹴るの暴行を与えたということです。
男性が盗んだのは、缶ビール2本でした。

確かに、万引きによる販売店の損失は、軽くないと言います。
利益に占める被害額の割合は、1割ほどといわれています。(→参照
店長には、よほど万引きに対して怒りが充満していたのでしょう。
しかし、全くの過剰反応となってしまいました。

相手は、初老に近い人でした。
腕力関係から入って、大きく劣っていたでしょう。
だからこそ、思い切り暴力を振るえたとも言えます。

これが、強面の筋骨たくましい男であったとしたら、店長は同じ反応をしなかったに違いません。
暴力を振るう人間は皆同じです。
自分より強い者には、常にしっぽを巻いて小さくなります。

いわば、万引き犯が弱者であったと判断したが故に、ねらい打ちをしたわけです。
憂さ晴らしの集中砲火を浴びせたわけです。

ところが、この万引き犯人は、60歳に近づく高齢でした。
恐らく店長が思う以上に、身体にも大きな問題を抱えていたということです。
血圧が高かったり、心臓が弱っていたり、持病があったりしたのでしょう。
暴行直後に絶命してしまいました。

高齢者に暴力を振るう人間は、いつもその可能性を覚悟しておくべきです。
若者ならば、傷を負って済むことも、高齢者では死に至らせる確率が高いと言うことです。
そうなれば、殺人罪の汚名を着ることになります。

この店長も傷害致死で逮捕されてしまいました。
人生を大きく暗転させてしまいました。
家族には大きな困難を与え、子々孫々には大きな汚点を残すことになってしまいました。

万引き犯に対する暴力的な報復の代償は、あまりにも大きかったと言えます。
しかし、元には戻れません。
もっと良い方法は、必ずあったはずです。