●性教育を性交教育にするな!
どのようにしてセックスをするかなどと言うことは、犬や猫でも知っています。教えられなくても、知っています。
ましてや人間に、男と女の性器を持ち出して性交の仕方について説明するなど、全くの無意味です。大人が子供の反応を見るための興味本位でしかありません。セクハラ的でさえあります。
とりわけ、思春期前の子供の中には、ショックを受けたり、不潔感で吐き気を覚える子供もいるでしょう。人間や両親に対する不信感さえ、助長させかねません。
とくに両親の不仲の場合、愛情がないのに、こんなことをしているのかと強い嫌悪感を抱かせるでしょう。
性行為など、時期が来れば自然に覚えます。興味が出てくるからです。
性情報は氾濫しています。かつては先輩や早熟の友だちなどが伝達者でしたが、今や、性情報はどこからでも手に入ります。
セックスをすれば、子供ができることなども、当然知っています。あらためて図解や人形で説明する必要もないでしょう。
コンドームの効果や付け方なども、わざわざ仰々しく教える必要はありません。手に障害でもない限り、幼稚園児でも装着することは可能です。装着に特段の技術や練習を要するようなものではありません。
問題は、セックスをすれば子供ができる可能性がいつでもあり、そうしたらどうするかと言うことです。
セックスの後のことが重要です。そのことを理解させておかなければなりません。
妊娠したら中絶をするのか、それとも子供を産むことにするのか?
まず、そのことをしっかり考えさせなければなりません。
性教育では、さらにこれを踏み込んで行う必要があります。次のようなことがポイントになるでしょう。
・中絶とは、どういう処置を行うのか?
・中絶によって、母胎にはどのような影響があるのか?
・中絶の費用は、どのくらいかかるのか?
・性交72時間以内ならば、ピル(錠剤)による「緊急避妊法」もあるということ(失敗率
25%ほど)。
・妊娠した場合、出産費用はいくらかかるのか?
・出産した場合、子供を育てるのにどのくらいの金銭的な支出を要するのか?
・子育て費用は、どのようにして用意するのか?
・誰が責任を持って子供を育てるのか?
・生まれてくる子供の幸せに責任が持てるのか?
このようなことをしっかり考えさせ、学ばせる必要があります。このようなことはなかなか、身近な情報としては伝わらないからです。
性教育では、とくに女子に対して、男性の性に対する心理についても教える必要があります。
性交に対す欲望や衝動は、愛の有無に全く無関係であると言うこと。つまり、男は愛がなくても、激しい性衝動、性交欲求を持ちえると言うこと。
男にとって、多くの場合、性交はそれ自体が目的であると言うこと。身体を求められたからと言って、それはあなたを愛している何の根拠にもならないということ。
したがって、妊娠したからといって、それに対して責任ある行動を男がとることは全く保証できません。むしろ、結婚も確定していない男の場合は、中絶を強要するか、逃げ失せる可能性が大です。このようなことを理解させる必要があります。
つまり、多くの場合、妊娠した責任も負担も、全て女性が負うことになるということです。
これこそが性教育の核心であるし、そうでなければ性教育の意味はありません。
性交教育を中心とする性教育は、子供たちの利益にも幸せにもほとんど役立たないといって過言ではありません。
どうしたら子供たち、とりわけ少女たちを守れるか、それが性教育の最大の視点でなければなりません。
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