強姦殺人と保険金殺人

強姦殺人vs息子の保険金殺人 異常なのはどっち?



刑法39条に「心神耗弱者の行為は、その刑を減刑す」とあります。
心神耗弱とは、「事の是非善悪を弁識する能力、又は、それに従って行動する能力が著しく減退している状態」をいいます。

光市母子殺害事件の被告と弁護人たちは、この方を盾に、死刑を免れようと力を尽くしています。
被告(犯行時18歳)の人格の未熟や責任能力の欠如を理由にしているわけです。
確かに、強姦の上、母子共に殺害するというのは尋常ではありません。


しかし、人格的異常性や「事の是非善悪を弁識する能力」などからすれば、自分の実の息子を1億数千万円の保険を掛けて殺害した父親の方がよほど常軌を逸しています。
強姦殺人より、実子の保険金殺人の方が事例としては圧倒的にレアケースです。


もし、刑法39条に従って、光市の母子殺害の被告を減刑するなら、この父親はより一層減刑しなければならないということになってしまいます。
余りにひどい異常で、罪に問えないということです。
異常な殺人をするほど、罪を免れる可能性が高いということになります。


元々、人を殺すということ自体が、確実に人格的な未熟性や異常性を表しています。
もし、それが減刑の理由になるというなら、殺人事件の被告には、みな刑法39条が適用されるということになってしまいます。
死刑に相当する人などいなくなってしまうでしょう。


愛する人を殺されたときの怒りや憎しみには、確かに人によって温度差があるでしょう。
しかし、愛情を強く持っていた場合ほど、それに比例して怒りや憎しみは深いはずです。
それは赤の他人が殺されたときと、知人が殺されたときと、自分の愛する子供が殺されたときの気持ちを比べてみれば、容易に理解できると思います。


できることなら、殺された若い母親(23歳)と、赤ちゃん(11ヶ月)に思うところを聞いてみたいものです。彼女たちは、何と応えるでしょう。
「水に流してやりましょう」というでしょうか?「10年間服役すれば、罪を許してあげます」というでしょうか?それとも「身をもって罪を償いなさい」と言うでしょうか?
いずれにせよ、無念だったであろう死者がこの世に戻ってこれないことだけは確かです。


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