ストーカー殺人

巡査長、ストーカー殺人の心理は?



8月21日、警視庁立川署地域課の友野秀和巡査長(40)が飲食店従業員佐藤陽子さん(32)を射殺し、拳銃自殺するという事件が起きました。

巡査長は、昨年11月頃から、佐藤さんの店に通い始め、交際を深めたとされています。
しかし、5月中旬以降の佐藤さんは、関係を嫌うようになり、7月下旬からは、明確に拒絶していたといいます。


巡査長は、佐藤さんに拒否されてからは、ストーカー行為をエスカレートさせ、彼女の家の近くをうろつくようになりました。
部屋に侵入するために合鍵を無断で作製した疑いももたれています。
さらに、最近は「心中」まで持ち出し、交際を迫っていました。
そして、ついに銃殺です。


この男性の心理は、どのようなものであったでしょう?
彼は、数ヶ月間女性に付きまとっていました。
相手に嫌われても、拒否されても、おかまいなく、執拗に付きまといました。


そこにあるのは、自分の欲望さえ満たせれば、相手のことなどどうでもよいというものです。
相手の気持ちや立場は一切無視です。
彼の心の中にあったのは、我欲と欲情だけでした。
自分の思い通りに行かなければ、相手を殺すことも厭わないというものでした。


もちろん、そこに愛などでなかったはずです。
愛とは、相手を守り、理解し、支えるというものです。
相手の幸福を第一にするというものです。
彼が行ったことは、その対極のものでした。


彼は、なぜ我欲を抑制できない人間になってしまったのでしょう。
それは、チヤホヤされてわがままに育ったことにあると推測されます。
とりわけ物質的に甘やかされて育ったため、欲望が肥大し、それを抑制する力を欠いてしまったのでしょう。
育ちに最大の原因があるということです。
裁判でも、そのことは解明してもらいたいものです。
(これについては、当サイト「親学のススメ」内の記事、「店の床にひっくり返った子供は?」をご参照ください)


彼は、独身だったと言うから、パートナーを求めるのにさらに必死な気持ちになっていたのかも知れません。
被害者が勤めていた飲食店の従業員は、「他の女の子にもストーカーまがいなことをして嫌われていた」と語っています。


ただ、彼のような人間と結婚しても、結婚生活がうまくいくとはとても考えられません。
相手より、自分のことが第一だからです。
相手の幸せなど、念頭にないからです。
身勝手な思い込みが強いからです。
ストーカーは、典型的な自己中心的人間と言えます。


もちろん、相手が自分の思い通りにならなければ、暴力を使うことも十分に考えられます。
今回は、相手を殺してしまいました。


誰か真剣に彼と向き合う人間がいたら、あるいは結果が異なっていたかも知れません。
彼の心を見つめさせ、それがいかに身勝手なものであり、相手を不幸にするか気付かせると言うことです。


巡査長は死亡退職扱いになるとみられ、約1200万円の退職金が支払われる見込みです。
しかし、彼の両親は受け取りを辞退し、佐藤さんの遺族に渡したいとの意向を警視庁に示しているということです。
死んだ者は還ってきません。
被害者の親にも、加害者の親にとっても、不幸な事件であったことに変わりはありません。


警察庁によるストーカー事案の認知件数は、毎年1万数千件もあります。(→参照
同じような犠牲者が続かないことを祈るばかりです。


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