モンスターペアレント・2

モンスターペアレントへの対処・対策法は?


昨日は、モンスターペアレント(学校へ苦情を言う親、クレームを付ける親)について、その内実と原因、背景について述べました。(1つ下の記事を参照)
今日は、その対処、対策法について触れることにします。

対処、対策法には、いくつかのポイントがあります。
次のようになります。
通常は、その複数のミックス、あるいは全てを動因するのがよいでしょう。

1.専門の担当者をおく。
クレーマーは、常習のことが常です。
手慣れていることが普通です。その道のプロもいます。
賠償や慰謝料を目当てにしている者は特にそうです。

彼らは、言い掛かりに長けています。
相手のちょっとしたミスや落ち度を嗅ぎ取り、拾い出す才に卓越しています。
白も黒と丸め込めてしまう才能を持っています。
暴力団を真似て、思い通りに行かないときは暴力を散らせることもあります。

このようなモンスターペアレントに、通常の教師では対応できません。
優しく、真面目で、控えめな教師では、圧倒され、丸め込まれ、言いようにされてしまいます。

しかし、このようなモンスターペアレントも、腕力のある、強面で、気が強く、押しの強い教師には遠慮します。
つまり、相手が自分より口論、やり合い、喧嘩に強いと思われる場合です。

モンスターペアレントは、力関係に非常に敏感です。
腕力主義的なところがあります。どちらが強いかと言うことです。
子供の世界と同じです。
相手の力量や権力などが自分を圧倒していると見れば、矛先を治めます。

モンスターペアレントに対しては、このような力量を持つ力強い担当者をおくことが必要です。
言い掛かりや苦情を言ってきた親が、手に負えなかったり、こじれそうになったら、直ちにそちらに任せることが求められます。
それは、早ければ早いほど良いでしょう。

モンスターペアレントは、相手が優しく、弱く、与し易いと見れば、怒りや要求をどんどんエスカレートさせていきます。
教師は、そのような親の集中砲火を浴びることになります。
最悪の結果も予想されます。
乱暴狼藉には、強力なプロの対応が必要です。

2.できるだけ多くの人数で対処する。
専門の担当者なら、一人でもよいかというと、そうばかりではありません。
任せきりは、やはり問題です。

これは、犯人逮捕の時の警察官の人数のことを考えてもよく納得できるでしょう。
容疑者検挙の時、警官は決して単独では、行動をしません。
例外は、緊急の現行犯の場合くらいです。
しかし、そのようなときは、容疑者の逃亡や反撃を許してしまうことが少なくありません。

警官が多ければ多いほど、容疑者は大人しくなります。
正気を失っていない限りそうなります。

モンスターペアレントにも、このことは当てはまります。
応対する者は、多ければ多いほど、解決がうまくいきます。
モンスターペアレントは、敵対者が多く、しかも彼らは団結していると感じるからです。
つまり、力関係で自分は完全に圧倒されていると見て取ります。
思うようにいかない、あるいは自分が損をすると判断します。

教師が複数で対応する効果は、専門の担当者がいないときは特に当てはまります。
3,4人で対応できれば申し分ありません。
相手が複数の場合は、相手の2倍の人数が必要でしょう。

このためには、普段から教師同士が連帯感を持っていることが必要です。
助け合う協力体制を気付いておくことが必要です。

3.内容を必ず記録に残す。
モンスターペアレントは、しばしば難題を吹きかけてきます。
それを強迫的に行うこともあるし、時には暴力的な行動をとることもあります。
そうなると、もう犯罪です。

モンスターペアレントに関しては、このようなことがいつ発生するか分かりません。
そこで、そのようなときに備えて、周到な準備をしておくことが必要です。
もちろん、証拠を残しておくためです。

これによって、相手の不当な要求を抑えることができます。
相手が加害を及ぼしたときは、司法に訴えたり、損害賠償や慰謝料を請求することができます。
不当な行為、違法行為に打ち勝つためには、それなりの知恵や努力が求められるということです。

必要なことは、相手がいつ、どこで、何を、どのように言ったか、あるいは行ったかということの記録です。
まず、メモ帳は最低限必要です。
記述は、細かければ細かいほど効果と価値があります。

ボイスレコーダーも、必携と考えるべきです。
この小さな利器は、胸のポケットのも十分収まります。
そっと潜ませておくことは十分可能です。
1万円未満で販売されています。
脅迫、恫喝などの犯罪行為に対しては、確実な証拠となります。

暴力的な実力行使に対しては、カメラも有効です。
複数で対応していれば、誰かが現場を撮影することができます。
ケータイのカメラで十分です。
器物を損壊されたときなども、必ず写真を撮っておきます。

もし、実際に暴力行為を受けたら、直ちに治療を受けることです。
そして、必ず医師の診断書などを求めておくことが大切です。
彼らとの闘いを非常に有利に進めてくれるでしょう。
後遺症があったときは、賠償や慰謝料を求めることができます。

いずれにせよ、不当、不条理なことに対して、小さいことも見逃さないことです。
もし甘い対応をしていると、相手の要求や行為はどんどんエスカレートしていきます。
気付いて時は、たいてい手遅れとなっています。
大きな損害、被害が生じているでしょう。

モンスターペアレントは、他の人間や弱者に対しては同じことをしている可能性が極めて大です。
厳しい対応、きちんとした対応によって、彼らの言動や態度、行動を抑制することが期待できます。
それができれば、意味と価値は大きいでしょう。

以上のことのほとんど、いじめの場合にも当てはまります。
いじめについても、上記の対処、対策法が大いに参考になるでしょう。

いずれにせよ、モンスターペアレントの乱暴狼藉の代償は、他の無関係の多くの子供たちが支払わなければならなくなります。
子供たちに、しわ寄せがいくということです。
授業時間が減ったり、担当する教師のエネルギーがそちらに奪われたりします。
当然、子供たちが得られるはずの利益は失われます。

モンスターペアレンとが教育の現場にとって、子供たち取っても、大きなマイナスの存在であることだけはまちがいありません。
彼ら自身も、信頼されないし、敬愛されないことは確かです。
このようなタイプの人間が少しでも減ることを望むばかりです。