◆北朝鮮は、拉致被害者をなぜ返さないのか?
拉致問題が膠着状態です。
一向に進展する様子が見られません。
時が過ぎていくだけです。
家族や支援者の努力は報われる気配がありません。
なぜ、このような状況に陥っているのでしょう。
今日は、それを推測してみたいと思います。
なお、私は、北朝鮮や拉致問題の専門家ではありません。
以下は、素人の私見としてお受け取り下さい。
北朝鮮が拉致被害者を返さない、あるいは返せない理由には、次の2つが考えられます。
1.生きているが、絶対に返せない。その理由がある。
2.死んでいて返せない。
被害者が生きている場合、被害者を返さないと言うことには、どのような理由が考えられるでしょう。
北朝鮮当局にとって、拉致被害者を拘束し続けることに、大きな利益はないはずです。
外交交渉にとって不利な材料を与え続けます。
日本をはじめとする他国からの支援や援助を受けることに大きな障害となります。
それでも帰さないと言うのは、よほどの理由があるはずです。
最も考えられるのは、重大な国家機密を握っているということです。
北朝鮮にとって、権力の基盤を揺るがしかねない重要な情報を掌握しているということです。
しかし、拉致被害者の中に、このような国家中枢に上り詰めるような被害者がいたか疑問です。
全体の人数も多くないし、もともと日本人であるからです。
帰還を許された蓮池さん、地村さん、曽我さんたちよりも、はるかに特殊な立場にいたとは考えにくいことです。
そうなると、2の可能性が高くなります。亡くなっていると言うことです。
返したくても返せない、ということです。
確かに、一度は拉致被害者のものとして、遺骨を返還してきました。
しかし、それは、偽りのものでした。
これは、家族は、北朝鮮当局に対するさらなる不信を深め、被害者が生きているという希望を強くすることになりました。
日本国民の反応も同じです。
しかし、もし本当にそうであるなら、そこに至る経緯を明らかにし、徹底的に家族に謝罪することです。
北朝鮮当局はこのことについて、説明し、謝罪する責任を負っています。
補償も必要でしょう。
ただ、殺害(処刑など)してしまったということも考えられます。
その場合、北朝鮮当局は、真実に口をつぐむでしょう。
真相が明らかになるのは、ほぼ不可能になります。
北朝鮮の政権、体制が変わるのを待つしかありません。
それが実現するのは、確かに至難でしょう。
北朝鮮が民主主義国家になるということを許すからです。
その最大のポイントは、中国の出方にあります。
中国の思惑、戦略いかんに関わっています。
中国が、北朝鮮を支えているのは、北朝鮮を属国のように見なしているからです。
いわば子分です。
もし、北朝鮮の政権・体制が崩壊し、民主主義国家が成立したら大変なことになります。
中国の勢力圏を離れ、西側寄り、親米的に宗旨変えする可能性が大だからです。
いままでの子分が、明日の敵になるということです。
それは、中国としては絶対に容認できないことです。
従って、北朝鮮の政権・体制が不都合なものになるのは阻止しなければなりません。
つまり、現状を支え続けると言うことです。
仮に、政権が変わるとしても、従属的、傀儡的なものになる見込みが断たなければ、受け入れることはありえないでしょう。
中国が背後で支える限り、北朝鮮の政権・体制が好ましい方向に倒壊することはありえません。
北朝鮮の独裁主義、秘密主義、先軍政治(軍最優先主義)、恐怖支配が終わることは考えられません。
犯罪的体質(麻薬の製造・密売、紙幣偽造、拉致など)もそうです。
そうなると、拉致問題の解決は期待できません。
しかし、拉致被害者家族の親は、みな高齢に達しています。
一刻も早く、活動に奔走する彼らを多大な苦労、心労から解放すべきです。
そのための方途は、次のうちいずれかでしょう。
1.圧力や制裁を徹底的に強めていく。
2.北朝鮮がどんな真実を明らかにしようとも、それが真実である限り受け入れる。その旨を伝えて、真実を明らかにすることだけを求める。
いずれにせよハードルの高いことは事実です。
しかし、大きく梶を切らない限り、新しい道が見えてこないこともまた確かです。
拉致被害者は、場合によっては数百人に及ぶとされています。
何の罪もない彼らが、明るい笑顔で再び日本の土を踏むのは何より望しいのですが…。
それが引き延ばされていくのは悲惨なことです。
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