▲為替の予測は至難
先週(8月3週)より、円・ドル相場が大きく変動しています。動揺しています。
一般に、為替の相場(商品の値動き)を予測するのは、非常に困難です。
滅多に当たりません。
当たれば、商品取引、先物相場、株式、外国為替などで、大もうけできるはずなのですが、そんなことはまずありません。
ほとんどギャンブル予測と同じです。有能な経済学者でも至難です。
もちろん、一流の占い師が相場で儲かったという話も聞きません。
典型的な例があります。
1998年の米有力ヘッジファンドLTCMの破綻です。
48億ドルの運用資産を、その8分の1の6億ドルに減らし、巨額の損失を出しました。
このファンドを経営者として指導していたのが、ノーベル経済学賞受賞者であるスタンフォード大学のマイロン・ショールズ教授と、ハーバード大学のローバート・マートン教授でした。
別な例を挙げてみましょう。外国為替の将来予測です。
2000年、朝日新聞(10月26日付)が日本のトップのエコノミスト20人に、5年後の為替相場(円・ドル)の予測をアンケートしたものです。
結果は、1ドル75円(金森久雄氏)から、1ドル200円(芳賀沼千里氏)までに分散しました。
3倍近い開きです。当時の相場は、108円でした。(→参照)
実際は、どうだったでしょう。
2005年10月の為替相場は、1ドルの115円前後でした。
最高値の75円とは40円の差額です。最安値の200円とは92円の差額です。
2倍近い差です。凄まじいものです。
短期売買なら、思惑が先行するので、予測の当たる確度は当然低いでしょう。
しかし、長期ならファンダメンタルズ(基礎的な経済条件)が強く影響しますから、より予測が正確になるはずです。それなのに、この結果です。
このように、為替の予測は一流の専門家にとっても難しいものです。
多少の経済的な知識で当てようと思うのは、妄想に近いと言えるかも知れません。
少なくとも、ギャンブルの範囲を超えないことは確かです。
0 件のコメント:
コメントを投稿