円キャリートレード

円キャリートレードとは?



キャリートレードとは、一言で言えば、「金利の安い国で金を借り、高金利の国で投資すること」です。
安い金利で金を借り、高い金利で金を貸して利益を得ることと同種です。


円キャリートレードとは、金利の安い円で資金を調達し(借り)、外国の通貨で運用する(貸す)という取引行為です。
円の借入金利が低いことが背景にあります。
投資の対象になるのは、株式、債券、不動産、さらに原油や金などの商品などです。
多岐にわたっています。


たとえば今、日本の金利が1%だったとしましょう。
1000万円の借り入れをしたとしすると、利息は10万円です。
この借入金で、アメリカの債券(国や地方自治体、金融機関、企業などが借り入れを行う時の借用証書)を購入したとします。
この金利が5%とします。利息(利子、利回り)50万円となります。


差額は40万円です。
もちろん、手数料や税金などのコスト負担は生じます。
それが仮に10万円であったとしても、利益は30万円です。
円キャリートレード自体は、確かにそうなります。


ただ、もうけの算段はそれほど単純ではありません。
為替(通貨の交換)の問題が絡むからです。


円を借りても、円では外国の株式や債券や不動産や商品は買えません。
そこでドルに交換する必要が出てきます。
先の例で、債券を買うため1000万円をドルに交換したとき、1ドルが100円であったとします。
購入資金は、10万ドルとなります。(手数料等は捨象)


5%の金利が付けば債券価格は、10.5万ドルになります。
ところが、日本でものを買うため、この債券を売らなければならなくなったとします。
10.5万ドルを円に換えなければなりません。


このとき、1ドルが90円になっていたとしたらどうでしょう。
いわゆる円高(円の値打ちが上がる)です。
1ドルが90円にしかならない、ということです。
手にする円は、945万円になってしまいます。
55万円の大損です。
しかも、手数料は差し引かれていません。


円キャリートレードでは、このようなことが常に起こり得ます。
日本の金利が安いからと言って、外国での投資(資金運用)で儲けるのは、単純でも容易でもありません。
一筋縄ではいきません。
それだけは、常に理解しておく必要があります。


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