◆民主党が政権をとるための秘策は?
民主党は、参議院選で大勝したことで意気が上がっています。
強い追い風を帆にいっぱい受けて、大海を突き進んでいく船のようです。
しかし、参議院選挙に大勝したからと言って、政権奪取ができたわけではありません。
政権(内閣)は、衆議院から生まれるからです。(→参照)
では、民主党が政権を執るためには、どのような方策を取り、状況を生み出すことが必要なのでしょう。
私見を述べてみます。
第1に、安倍内閣ができるだけ長く続くことです。
国民は、安倍内閣に嫌気がさしています。支持率は大きく低下しています。
選挙後10日ほど経った今、支持率は20%台まで低落しています(8月上旬現在)。
国民の支持がこれほど低いのに、安倍首相は政権の座に固執し続けています。
これは国民の反感、怒りを増幅させるでしょう。
大多数の支持がないのに政治を主導し続けるとはどういうことだ、と言うわけです。
それは、自民党には逆風となり、民主党には追い風となります。
民主党は、この風を利用することです。
そのためには、安倍内閣ができるだけ長く、延命してもらうのが好ましいでしょう。
国民の反感や怒りは、さらに高まります。
もし、安倍内閣が倒れ、政権が一新されれば、国民は新しい期待を持つでしょう。
新しく誕生した首相と内閣は、風向きを変えるかも知れません。
そうなると、民主党にとっては逆風、自民党にとって順風になります。
従って、民主党はじめ、他の野党は、安倍内閣を倒そうとは急がないことです。
死に体のままにさせて、できるだけ支持率を下げた方が得策です。
国民の不満を最大限にするに如くはありません。
第2に、国民の最も期待し望んでいる政策を前面に大きく打ち出すことです。
それは、年金保険料の税財源化と最低保障、それに時給千円などの最低賃金制などです。(→参照)
事実、今回の参議院選でも、それらに対する国民の関心の割合は飛び抜けていました。
確かに、農業の戸別所得補償制度、テロ特措法の延長、公立高校の無償化、高速道路の無料化なども大事でしょう。
しかし、余りに多くを打ち出すと、焦点がぼやけてしまいます。
しかも、これらの内のいくつかは、国家予算のばらまきという印象さえ与えます。
さらに、郵政民営化に対しては、凍結法案を提出する構えですが、先の衆議院選挙で示された民意をないがしろにすることになりかねません。
何のための国政選挙だったのかということになります。
このような姿勢は、民主党にとって、プラスには働かないでしょう。
第3に、総選挙(=衆議院選挙)の時期が大事だということです。
次の総選挙は、任期満了ならば、平成21年9月10日実施となります。
その前に、解散が行われる可能性が極めて高いでしょう。
追い風をつかむには、このタイミングが大切だと言うことです。
民主党にとってマックスになり、自民党にとってミニマムになる時期を見計らうことです。
遅すぎても、早すぎてもいけません。
もちろん、最良のタイミングを判断するのは困難です。偶然にも左右されます。
しかし、あらゆる情報を分析し、世論動向をつかみんで、状況判断をすべきです。
民主党は、政権奪取を目指すなら、そこに視座を置いて、政治日程を組み、政治活動を展開していかなければなりません。
大きな目標のためには、大局をつかむ必要があります。
国民世論は、甘くありません。
参議院選で大勝したといっても油断すると、しっぺ返しを食らうでしょう。
政権奪取は遠ざかります。
それを肝に銘ずべきです。
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