◆自民党の衆議院議員たちは、内心ほっとしている?
今回の参議院選挙で、民主党が大勝しました。
自民党内は、蜂の巣をつついたような騒ぎにさえなっています。
責任は安倍内閣にあるとして、退陣への圧力が強まっています。
しかし、自民党にとって悪いことばかりではありません。
民主党が大勝したことで、民主党への追い風は弱まり、より厳しい目が注がれるようになる可能性が高いからです。
大敗した自民党には、同情の気分さえ高まるかも知れません。
逆風は、弱まります。順風が吹き始めるかも知れません。
たいてい、大きく揺れた後は、揺り戻しがあるものです。
それを考えると、次の衆議院選挙を戦う自民党の議員にとっては、決して最悪な事態ではありません。
表面上の顔はともかく、内心はむしろほっとしているのではないでしょうか。
とりわけ、今の内閣が退陣し、政権の中核を担った議員たちの力が弱まれば、自分たちが台頭していく道がより開けてきます。
敗北は、主役交代のチャンスでもあります。
逆に、民主党にとっては、今回の大勝により、政権からは遠くなったと言えなくもありません。
今回の参議院選挙で勝利した者たちは、歓喜に浸っているでしょうが、次の衆議院選挙を戦わなければならない者たちは、警戒の気持ちを高めざるを得ないでしょう。
兜の緒を締め直さなければなりません。
朝日新聞の世論調査でも、とくに無党派層は民主党に政権交代までは望んでいないようです。
「民主党に何を期待するか」という無党派層への質問に対する回答結果は、次のようになっています。(8月2日朝刊)
(自民党の)政策を改めさせる…37%
政権交代の実現…17%
期待していない…38%
今回の選挙では、年金問題が最大の争点であり、民主党勝利の最大の要因でした。
民主党が波に乗り続けるためには、この年金改革のプランを前面に押し出していくのが最も有効でしょう。
それは、年金の基礎部分の財源を保険料から租税に変え、最低額を保証するというものです。(→参照)
時給1000円を最低賃金にする改革なども、大きな支持を集められるでしょう(→参照)。
いずれにせよ、多数の国民の強く望んでいることに応えることができるか否かが、獲得票をマックスにする最大のカギです。
上と同じ世論調査で、「自民党敗北の最大の理由は」という無党派層への質問があります。その回答結果のベスト3は、次のようになっています。
1.年金問題…37% 2.大臣の不祥事…33% 3.格差問題…12%
ちなみに、次回の総選挙(衆議院選挙)は、天下取りの(政権が決まる)闘いになります。
政権を担う内閣は、実質的に衆議院が選出、指名する首班(内閣総理大臣)によって組閣されるからです。(→参照)
だから、政権を握るという意味では、参議院選挙(通常選挙)より、はるかに重要性があります。
いくら参議院選挙で大勝しても、衆議院選挙に勝たなければ政権を奪取することはできません。
その意味で、次回の総選挙は、より大きく政治動向を決定づけることになります。
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