荒れ狂う投機マネー・1

世界の投資・投機市場の規模は?


世界の投機資金が、世界経済を大きく動揺させています。
巨大なマネーが世界中を動き回っているからです。
まるで、好餌を求める飢えたハイエナの群れです。

株価は、毎日のように、数%の上下変動を繰り返しています。
為替、債券、商品市場も激しい値動きをしています。
大量の資金は、それらの市場の間で、潮の満ち引きのように資金が押し寄せては引き、引いては押し寄せたりしています。
地球は、鉄火場(賭場)と化しつつあります。

しかし、残念ながら、巨大な賭場銭(ギャンブルマネー)は、必ずしも世界中の多くの人々に富をもたらし、利を恵む幸福の女神ではありません。
むしろ、人々の生活を脅かし、攪乱し、打撃を与える疫病神として姿を現すことが少なくありませんあります。
この猛々しい神の動向には、注意を傾けることは必要です。

では、この大量の資金が駆け回る各市場の規模は、どのような大きさになっているのでしょう?
概要の把握を試みることにしましょう。
各種資料からの推計です。(1ドル=100円換算)
一部に齟齬があるかも知れません。

商品市場(06年)
 商品現物市場
  原油(現物市場で最大)…300兆円(07年)。
  小麦(穀物市場で最大)…15兆円。
  トウモロコシ…13兆円。
  金…9兆円。
 商品先物市場
  原油(先物市場で最大)…14兆円(07年)。
  小麦…1兆円。
  トウモロコシ(穀物先物市場で最大)…3兆円。
  金…5兆円(07年)。

不動産(07年)
 リート(不動産投資信託)…約90兆円。
 不動産直接投資…70兆円。
 ※取引用不動産ストックの合計(残高)…920兆円(05年)。

株式…約7200兆円(07年)。
 ※内、米国約2400兆円、日本550兆円、中国390兆円。

債券…約5500兆円(07年)。

外国為替…約370兆円(1営業日の取引量)(07年)。
 ※世界の貿易総額は、1600兆円(07年)。
 ※世界の対外直接投資は、120兆円(07年)。

デリバティブ(金融派生商品)…約4京9300兆円(07年)。

ここで、上記の投資・投機資金の元となる世界の金融資産の残高について、概観してみましょう。
次のようになっています。

世界の金融資産(06年)(日経新聞などから)
 年金基金…2300兆円/投資信託…2200兆円/保険会社…1800兆円/
 公的年金…400兆円/政府系ファンド…300兆円/ヘッジファンド…150兆円/
 プライベート・エクティ(非上場株式)…100兆円。
 世界の金融資産の総額…1京4000兆円。
 ※世界の金融資産は、世界のGDP(国内総生産)4800兆円のおよそ3倍。

以下、次回へ。