23歳女性刺殺

26歳年上の片想い男の本性は?

12日、松山市で中年の男性が、若い女性を包丁で刺し殺すという痛ましい事件が起こりました。
容疑者は、同市内の無職、加茂広正容疑者(49)で、被害者は死亡したのは同市の飲食店店長深田明子さん(23)です。

動機について,加茂容疑者は次のように供述しています。
「客として好意を持ち、交際を申し込んだ。脅してでも彼女にしようと思って、包丁を持って、店外に呼び出した」。
「いい返事がもらえず、かっとなって刺した」。 
飲食店関係者や知人らによると、深田さんは「しつこく電話やメールをしてくる客がいる」と話し、困っている様子だったといいます。

何と身勝手な片想いでしょう。
しかも、50歳近い男の20代前半の女性に抱いた一方的な感情です。
この男の心理や人間性を推理してみたいと思います。

基本的に、この男は自己中心性が極めて強いということです。
自分勝手であり、我がままであるということです。
全てを自分中心に考えます。
何でも自分の思う通りにならないと気が済みまないという人間です。

自分が気に入らないことには、癇癪、ヒステリーを起こします。
相手の都合、感情は一切無視します。
自分より弱い者に対してはいつもそうです。
もちろん、強者に対しては、本心を隠し、尻込みします。
本性は臆病です。

このような性格、人間性のため、いままでも、周りの人々は随分迷惑を被ってきたでしょう。
傷つけられた人もたくさんいたはずです。
とりわけ、トラウマ(心の傷)を与えられた人は、少なくなかったと思われます。
一事が万事です。
今回の事件は、突き抜けた氷山の一角だったということでしょう。
余罪は、数知れずあるということです。
男は50年近い年月を過ごしてきたから当然です。

このような性格、人間性は生まれつきのものでしょうか?
もちろん、そうではありません。
作られたものです。誰によって?
それは、養育者です。親です。

彼は生まれたときから、チヤホヤされて我がまま放題に育てられたでしょう。
欲しいものは、直ちに与えられたでしょう。
乳、オモチャなどです。
これらは親にとって、大して経済的な負担になるものではありません。
子供は、耐えて待つ必要がありませんでした。

こうして、子供は卑しい王様に育ってしまいました。
デパートやスーパーで欲しいものが手に入らないと、床にひっくり返ってわめいているような子供です。
こうなると、もう手遅れです。
20歳になっても、30歳になっても、40歳になっても、50歳になっても、60歳になっても、70歳になっても、直すことは不可能です。

ただ、人間は「演技する動物」です。
大人になれば、自分の都合によって、本性は巧みに隠すようにはなります。
しかし、「三つ子の魂百まで」です。
本性が変わることはありません。

この自己中心性、我がままは、自意識過剰や自己肥大をもたらします。
「自分はチヤホヤされて当然だ」という感情です。
思い上がりや、尊大な意識です。
異性に対しては、「自分は好意を持たれているに違いない」、「好意を持たれて当然だ」という思い込み繋がっていきます。
現実と乖離した妄想です。
一種のパラノイアです。(→参照

まともに考えれば、この男と女性は不釣り合いです。
二十六歳も年上の無職の中年男です。
若い女性が相手にするはずはありません。
この男が逆(女性)の立場だったら、やはり受け入れないでしょう。

仮に二人が契りを結んだとしも、うまくいくとはとても考えられません。
男は、高齢な上、無職です。
家族は養えないでしょう。

しかも、このような男は、家庭内では常に暴君です。
気に入らないことがあると、暴れるでしょう
暴力も振るいます。DV(家庭内暴力)です。
家庭内には、干渉、抑圧、支配が満ちます。

子供ができたら、さらに悲惨です。
子供にしわ寄せが生きます。
その子供の育ちや心がどのようになるか想像するのは辛いことです。

もちろん、このような男に愛情はありません。
愛情とは、相手を守り、理解し、味方になり、支えるということです。
相手の気持ちや尊厳を重んじるということです。
時には相手のために自己犠牲を厭わないということです。
そういうことは、この男に全く期待できません。
男にあるのは、欲望、欲求だけです。

この若い女性は、それを予見していたのでしょう。
だから、関係を築くことを拒絶したわけです。
当然です。

この男は、女性を惨殺しました。
女性に対する感情や女性観は、母親によって構築されます。
彼は、女性を尊重することもなく、真の愛情を抱きませんでいた。

これは、男が母親に対し、真の愛情を持っていないことを意味します。
そしてそれは、母親が彼に対し、真の愛情を持っていなかったことを裏付けます。

もちろん、彼の女性観は父親のそれとも連動します。
彼の父親も、自分の妻に対して、真の愛情は抱いていなかったでしょう。
性の対象、支配の対象としか見ていなかったということです。

それにしても、この若い女性は、悪運に見舞われたものです。
人間の出会いは運そのものに左右されます。
自分を殺す人間と出会ってしまったわけです。

出会った人間には、警戒することも必要です。
極悪人が紛れ込む恐れを排除できないからです。
どのくらいの信頼を与えるべきか、よく相手を観察し、本性を見極めないといけません。
軽率に深い関係を持つのは極めて危険です。
特に異性に対しては一層当てはまります。

この女性には、油断があったということかも知れません。
「後悔先に立たず」ということです。