子供の忍耐力

子供に忍耐力をつける最大のコツは? 



それは、しばらく待たせることです。
待たせることによって忍耐力をつけるのは、早ければ早い時期ほど効果があります。成長するにつれて効果は薄くなります。
生まれたての赤ちゃんが最も効果的に忍耐力を付けさせることができます。それは、とくに乳の与え方にあります。

乳を赤ちゃんが泣いたら即座に与えるというのは全く好ましくありません。要求のままに直ちに与えることは、赤ちゃんから我慢させる機会を大きく奪ってしまいます。
しかし、しばらく待たせれば、どうでしょう。赤ちゃんはその間、我慢せざるを得ません。忍耐を身につけざるを得なくなります。


このとき注意すべきことは、待たせ過ぎないことです。
長時間空腹のままにしておくことは、彼の健康上良くないし、彼の気持ちも萎縮させたり硬化させたりします。適当な時間的長さが、彼に最も好ましい忍耐力を育ませます。


ただ、この忍耐力の訓練は、幼児期にはいるとかなり効果が薄くなります。
デパートなどで、床にひっくり返って癇癪を起こしている子供は、それを証しています。彼は欲望に対して抑制する力を永遠に失っている可能性さえあります。


待たせる訓練は幼時期にも続ける必要があります。
彼がおもちゃなどを欲しがってもすぐには買い与えないことです。チヤホヤ要求に応じるのは極めて危険です。
誕生日、クリスマス、お正月などが来るまで待たせるとよいでしょう。それは、彼の要求度の強いものほど効果があります。


このような訓練は、思春期以降にはほとんど効果なく、多大な努力をしても、ほとんど徒労に終わります。
それは、彼に忍耐力をつける変わりに、ほとんどストレスしか与えません。それどころか、怒りや憎しみさえ沸き立たせる可能性もあります。
そのとき、忍耐力をつける工夫と努力を怠ってきたことを悔やんでも遅いでしょう。


物が豊かな時代にあって、子供に忍耐力を付けるのは、確かに容易なことではありません。待つ必要も、待たせる機会もほとんどないからです。
しかし、子供が将来にわたる確かな忍耐力を身に付けるためには、乳幼児期のものの与え方に対する配慮は欠かすことはできません。


子供が忍耐強くなるためには、まず親が賢明で忍耐強くなければなりません。


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