トラブルの解決法

弁護士に頼む前に!


人生に、争いごとは付きものです。
他人との間ばかりでなく、夫婦間、家族間にもあります。

商品売買をめぐる争いもあれば、事故のトラブル、遺産相続、財産分与など様々です。
いつそれらに巻き込まれるか、あるいは当事者になるか分かりません。

そのようなとき、問題がこじれれば、多くの場合、その解決を弁護士に頼んだり、裁判に持ち込んだりします。
しかし、これには多くの手続き上の負担や金銭的な費用がかかります。
そこで、このような場合、弁護士や裁判所に持ち込む前にADRを活用することをお進めします。

ADRとは、Alternative Dispute Resolution(代替的紛争解決)の略語です。日本では、これを「裁判外紛争解決」とも呼んでいます。
新しい制度です。本年4月にスタートしました。(→参照
裁判による解決との主な違いを比較してみましょう。次のようになります。

        解決者     情報    強制力     費用    手続き
 裁判   裁判官   原則公開    あり      必要      厳格
 ADR  専門家   非公開   一部あり  無料が多い  簡易

ADRを行っている代表的な機関には、次のようなところがあります。
 消費生活…国民生活センター日本訪問販売協会日本旅行業協会
 交通事故…交通事故紛争処理センター
 金融…日本クレジットカウンセリング協会
 不動産…不動産適正取引推進機構

この他にも、各分野でいろいろな機関が活用できます。
インターネットでも、容易に検索、アクセスができるはずです。
面倒なことが生じたら、一度利用を検討してみるとよいでしょう。

もちろん、トラブルや争い事はないによい方が決まっています。
人生の大事な日々を無駄に消耗させるからです。

大きく傷つき、損害を受けることもあります。
トラブルや争い事は、まず何より、未然に防ぐ賢明さと配慮が必要です。